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こくりこっくり25時間
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三. 夢

ヒトというのは睡眠時に見た夢の、ほんの一握りしか覚えていられません。
その殆どが夢主の記憶に残らず、消し去られてしまう。
夢の内容を知る人間はその夢を見た当人だけですから、あとでどんなに思い出そうとしても、夢主が忘れてしまってはかなわないことです。
そう考えると、怖くありませんか?
夢の中で、何か、とんでもないことをしてしまっているかもしれない。
まぁ、夢が夢であればいいでしょう。
現実ではないのだから、そんなことはどうでも。
しかし、「夢を見る」ことは現実に起こっているわけです。
そして、その夢が、夢だった、では終わらない現実だったら。
忘れてしまったら取り返しのつかないことになりかねない。
しかし、夢というのは忘れられていくもの…

私はもう何十年と夢を見ていないのですが、
それでも私は蝋燭を吹き消して眠りにつくとき、いつも子供のように怯えているのです。


彼女の方はどうなのか、私には知る由もありませんが。
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一. 真実
 
まさか あなたが

あの大きな ナラの樹が
空いっぱいに広げた 葉の傘を
縫って差し込む 木漏れ日の中で
枯れることのない 白い花を手に
無邪気に笑った
あなたが

もうわたしはあなたをあいさない
あなたもわたしをあいしてはいけない
…わかりましたね

わかったら もう おやすみ
星のない
風もない

くらい
くらい
よる


くろい眼 ふたつ
少し メランコリー 灯す


墨にまみれたこんな夜じゃ
君のひとみの輝くのさえ
眼をくらませて

凍るような空気の中じゃ
君の胸のあったかいのも
肌を焼くようで

おびえた 眼をして
ふき消した

少し
少しだけ なみだして
「さよなら」 つぶやいた


ふたつのくろい眼に
メランコリー灯して
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